診療科目

放射線科

放射線科について

当科は、放射線を利用した画像診断と放射線治療を行う診療科です。
現在、常勤の放射線科専門医(がん治療認定医)1名、診療放射線技師8名、助手1名により業務を行っています。

診療内容

画像診断

各診療科の依頼のもとに撮影した画像(CT、MRI、一般撮影、マンモグラフィ等)を放射線科医が読影します。
当院はフィルムレスで運用しており、撮影された画像は数秒で院内のどのパソコンからも閲覧できます。過去の画像との比較も容易にできますので、外来や救急の患者さまに対する診察や治療もすばやく効率的に行えます。
また島の基幹病院として、他院からの検査依頼にも迅速に対応するよう努めています。
 

IVR(インターベンショナルラジオロジー)

DSA・透視装置・CTなどの装置でリアルタイムに画像を観察しながら、カテーテルという細い管や針を目的の臓器や血管まですすめていき、そこで病変の治療をおこないます。
腫瘍に直接抗がん剤を注入したり、腫瘍を栄養する血管を塞いだり、と目的や手技は様々です。
IVRは、放射線治療とともに外科的手術と比べ身体に与える負担が少ないという利点があり、手術が困難な方や高齢の方には有用な治療のひとつといえます。

 ■2015年度撮影件数
機種 撮影件数
一般撮影 21,429
MMG 600
CT 5464
MRI 1873
透視 302
骨塩定量 678
DSA 心臓 239
その他 47

 ■2015年度治療実績
  人数 部位 治療回数
2015/5~2016/3 37 52 769

■治療目的別分類
治療目的 治療人数 治療部位数
症状緩和 26 38
再発/残存病変への救済治療 5 6
術後 5 5
術前 1 1
根治 1 1

肺、乳腺、膵臓、甲状腺、消化器系、泌尿器系、皮膚、婦人科系などからだの全ての臓器が治療の対象となります。


 

対馬、そして対馬病院での放射線治療について

日本では今、人口の2分の1に当たる方々が一生涯の何れかの時点で癌を患い、3分の1に当たる方々が癌により命を終えています.
或る種、或る状態の癌を治癒に導く為に、或いは、仮に治癒を得られない状況になった進行癌の方であっても癌の勢いを抑えて苦痛症状を緩和する為に、放射線治療は有効性の高い手段です。
欧米では癌を患う患者のうち、5~6割程度の方々が(国や地域により若干の差があります)、何れかの時点で放射線治療を受けているという統計があります。
正確な数字は把握できませんが、当院が放射線治療を開始する以前の対馬では、九州本土へ渡り、放射線治療の恩恵に浴することのできた方は、かなり少数に留まっていました。
かつての対馬での状況がどうであったか、また当院が現在、そして今後、ご提供する放射線治療について、放射線治療の目的毎に話を分けて御紹介させていただきます。


【1】症状緩和目的の放射線治療
たとえ治癒が望めない状態の方であっても、苦痛症状を緩和する目的で行なわれる放射線治療を指します。癌による痛みが出たり、背骨への転移の為に脊髄が圧迫されて足腰が麻痺したりした場合の放射線治療、脳転移の為にマヒが出たり言葉が解らなくなったりした場合の放射線治療などが、代表的なものです。これら、癌による局所症状の緩和を目指した放射線治療の有効性は、かなり高いものです。当院の放射線治療装置は、この「症状緩和目的の放射線治療」を最優先の使命として設置したものです。
放射線治療装置がなかった2015年4月以前の対馬では、一定以上に進行した癌自体への治療手段として、ほぼ化学療法(抗癌剤)のみが行なわれていました。ですが化学療法では多くの場合、癌による局所症状の緩和効果は不確実です。当時、癌局所による苦痛症状を確実に抑えるためには、海を渡って九州本土まで赴き、2・3週間をかけて、緩和目的での放射線治療を受けていただく必要がありました。多くの症状を抱えた患者さんに取り、それはしばしば負担の大きな事でした。「がん」の為に弱った患者さんご本人に付き添って、御家族も共に九州本土へ渡らねばならない事も多く、ご家族の負担も大でした。そのため、症状緩和目的の放射線治療を受けられず、最期まで苦痛症状に苛まれ続ける方々が、数多くおられました。
飽く迄「印象」のレベルでしたが、対馬では苦痛症状を十分には軽減できずに、最期まで苦痛に耐えねばならない癌患者さんの割合が高いという印象を、旧 対馬いづはら病院の緩和医療担当医(当院 放射線治療担当医)は持っていました。
現在では既に多くの患者さんが当院で放射線治療をお受けになり、癌による苦痛症状を緩和、或いは回避しておられます。不快な症状を回避する事により、また、多少なりとも癌病変を縮ませておくことにより、結果的に良い形での延命につながる場合もしばしばあります。症状緩和目的の放射線治療を今後更に活用いただき、最期まで苦痛少なく住み慣れた島で過ごせるならば、対馬はその分だけ「安心して命を全うできる場所」になるのではないでしょうか。
当院では、各方向からの放射線を患部のみに集中させる「三次元原体照射」を標準的に行なっています。症状緩和目的の放射線治療では、そのような技術を駆使して放射線が当たる範囲を絞り込み、放射線の量も或る程度以下に抑え「優しい放射線治療」を心がけます。その為もあって、或る程度以下に体力の落ちた方でも無理なく受けていただきやすい特徴があります。
ただ、癌による苦痛症状をこじらせてからでは、折角の放射線治療も十分には効きにくくなります。不快な症状を感じた場合は、早めに当院総合腫瘍科へお問い合わせ、またはお申し付け下さい。
状況によっては、不快な症状が出てしまってからでは手遅れになりかねない場合もあります。脊椎骨転移による脊髄圧迫・脊髄マヒが代表的な例です。そのような事態が懸念される場合には、先手を打って放射線治療をお受けいただくよう、お勧めすることがあります。

【2】局所進行期の癌を抱えた方の放射線治療
局所で進行してしまっても、まだ治癒の可能性が残っている段階の或る種の癌(肺癌、食道癌、頭頸部癌、その他)では、放射線治療により癌を治癒に導き命を救える場合があります。この場合、広い範囲に大量の放射線を当てねばならない事から、体への負担が大きくなりがちです。治療期間も延々2ヶ月程度に及ぶ場合があります。
また、幾つかの種類の癌の、一定の段階に進行した状態では、化学療法(抗癌剤治療)を同時に加える事により(化学放射線療法)、治癒率が上がる事も知られています。この場合、抗癌剤の副作用も加わって、体への負担は更に大きくなり、「とてもつらい治療」になりがちです。進行癌になってしまうと、治療も大変になってしまいます。
例えば、やや進行した肺癌や食道癌の化学放射線治療を受けている方には、しばらくの間、食道の粘膜がただれて食事が摂れなくなったり、細菌が体内に侵入して生命に関わりかねない敗血症を起こしたりといったトラブルが、一定の頻度で生じます。
対馬に放射線治療装置が導入される2015年4月以前には、こういったリスクの高い治療を九州本土で受けてこられた患者さんは、かなり限られていました。九州本土の施設でも、御家族から隔離された状況でリスクの高い治療を受ける事を、積極的には勧めづらかったのではないかと推察しています。
ですが、やや進行した状態で診断がつく癌の患者さんは、決して数少なくありません。治る可能性が高くない厳しい状況でも何とか救命を図ってゆく上では、こういった「つらい治療」が必要な場合が、多々あります。
当院 総合腫瘍科では、その方の状態(ご年齢、臓器機能)と癌の状況とを見較べて、治療方針をご提示・ご相談しています。仮に、つらくてリスクの高い治療になってしまう場合でも、苦しい治療期間を乗り切っていただけるよう、病棟、薬剤・栄養部門など、各方面のスタッフもサポートしています。

【3】比較的限局した癌に対する放射線治療
当院の放射線治療では、一般病院で標準とされる「三次元原体照射」を多用しています。後述するような特殊なタイプの放射線治療を要する状況を除けば、基本的に「治癒目的の放射線治療」を御提供できます。
例を挙げれば、最近増加しつつある乳癌の治療では多くの場合、薬物治療・手術・放射線治療の全てを組み合わせた治療が標準的です。対馬に放射線治療装置が無かった2015年4月以前は、一日一回、約15分程度の放射線治療を受ける為に、1ヵ月少々の期間を島外医療機関に拘束されました。今では仕事や家事・育児の傍ら、当院への外来通院で放射線治療を受けておられます。同じく、高齢男性に増加が顕著な前立腺癌でも、一定の長期制御を望める治療を提供しています。

【4】特殊な放射線治療
当院では標準的放射線治療である「三次元原体照射」を行なっていますが、強度変調放射線治療(IMRT)などの「高精度放射線治療」までは行なえません。設備に更に多額の費用を要する事と、もう一名の放射線治療医を要する事とが制約となりました。
それら、高精度放射線治療や粒子線治療など俗に言う「ピンポイント治療」が望ましい特定の状況にある癌を抱えた方や、「小線源治療」「核医学的放射線治療」などの特殊な放射線治療が望ましい病変を抱えた方には、島外の提携医療機関への御紹介を提案させていただきます。そのような場合でも、放射線治療専門医同士で情報を共有し緊密に連携を取り、落ちの無いよう皆様の診療に当たらせていただきます。

なお当分の間、診療放射線技師が人手不足の為、放射線治療は原則午後のみの実施とさせていただきます。お知り合いの方に、当院に勤務してもいいとお考えの放射線技師がおられましたら、御連絡をいただけますようお勧め下さいますれば幸いです。

治療に関しお尋ねになりたい事は是非御遠慮なく、放射線治療担当技師、総合腫瘍科担当医師・看護師へお尋ね下さいませ。

2016年5月
総合腫瘍科 放射線治療担当 久保田 元

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